今回のテーマはFXを始めるにあたり、必須級の知識である「合成通貨」について解説する記事になります。
本記事を最後まで読むことで、FX投資で大失敗を避けるだけでなく、リスクヘッジをしながらパフォーマンスを上げることができますので、ぜひ一読ください。
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FXにおける合成通貨とは
そもそも合成通貨とは何か?を知る前に、基軸通貨であるドルを知る必要があります。
1800年代においてはポンド(GBP)が世界の基軸通貨でしたが、第二次世界大戦以降、米国が世界の経済をけん引することで米ドルが基軸通貨となっています。
通貨 | 取引量シェア |
EUR/USD | 23% |
USD/JPY | 18% |
GBP/USD | 9% |
AUD/USD | 5% |
USD/CAD | 4% |
世界中のFX取引でどの通貨ペアにおいても米ドル(USD)が絡んでおり、USDを無視することはFX取引においてありえません。
日本円も第二位に入るなど、円も人気なんですね。
全ての通貨は米ドル(USD)を中心に考えることが合成通貨を学ぶ上で、大事になります。
クロス円とドルストレートとは?
日本に住んでいると、USD/JPY(日本円)しか見ないと思いますが、世界から見ると田舎通貨でしかありません。
このJPY(日本円)を中心とした通貨を「クロス円」と呼びます。
一方で、USD(米ドル)を中心とした通貨を「ドルストレート」と呼びます。
クロス円 | ドルストレート |
USD/JPY(日本円) | JPY/USD |
EUR/JPY(ユーロ円) | EUR/USD |
GBP/JPY(ポンド円) | GBP/USD |
AUD/JPY(豪ドル円) | AUD/USD |
USD/JPYはそもそもUSDと直接絡んでいるので、クロス円でありドルストレートでもあります。世界から見ればドルストレートの一種でしかありません。
合成通貨とは
クロス円とドルストレートの知識があれば、合成通貨は簡単に理解することができます。
基本的な考え方は、クロス円=「ドルストレート」×「ドル円」ですべて説明できます。
小学校で学ぶ分数さえわかれば簡単な式で表すことができます。
これを具体的な数値で説明してみます。
ユーロ円 | ドル円 | ユーロドル |
165.0 | 150.0 | 1.1 |
155.0 | 155.0 | 1.0 |
144.0 | 160.0 | 0.9 |
このような相関性があるんですね。この場合ドル円は円安に向かっているのにユーロ円は円高に向かうという事がわかると思います。
クロス円でトレードするときは必ず、その通貨に該当するドルストレートを確認しないといけないわけです。
合成通貨を使った戦略とは
各クロス円は合成通貨であることは、この記事を読むことで理解することができましたね。
その上で合成通貨における間違った考え方と戦略を考えていきます。
あり得ない通貨ペアの組み合わせ
エックスを見ていると、①ドル円ロング②ユーロドルロング③ユーロ円ショートの組み合わせを推奨している人を見たことがあります。
これは合成通貨の考え方の上であり得ないことがわかります。ドル円ユーロドルともにロングであれば、ユーロ円はさらにロングになるのが合成通貨の考え方です。
合成通貨を使ったリスクヘッジ
単一ポジションであれば、利益も損失も大きくなりますが、複数ポジションを保有することでリスクヘッジを取ることができます。
この手法を私はよく使います。FXにおける相場をすべて読み切るには不可能です。なので複数ポジションを保有することでトータルでのパフォーマンスを期待するわけです。
組み合わせ例 | 特徴 |
ドル円ロング×ユーロドルショート | ユーロ円はレンジ |
ドル円ロング×ユーロ円ショート | ユーロドルは下落 |
ユーロ円ロング×ユーロドルショート | ドル円は上昇 |
上記はドル円とユーロの関係でしか見ていませんが、ユーロ以外を候補にすることでリスクヘッジが取れるようになります。
2024年現在では、ドル高&円安の傾向が強いため、基本的には中長期スパンでは以下を推奨しています。
ロング推奨 | ショート推奨 |
---|---|
USD/JPY USD/CAD USD/CHF | EUR/USD GBP/USD AUD/USD |
ただし、各通貨にはその国々の経済状況やリスクによって大きく変わるので、一概に上記の通りになるとは限りません。
そのうえで複数ポジションを取引することで、リスクヘッジが取れるわけです。
合成通貨のまとめ
本記事ではクロス円はドル円以外すべて合成通貨であることを解説しました。
FX初心者の方は、兎にも角にも、ユーロ円を取引するのであれば「ドル円」「ユーロドル」の2つは必ず確認する。
このことだけでも理解すると、FX基本を抑えることができます。
合成通貨の応用編
本記事では、ドル円を中心とした合成通貨を解説しましたが、見る視点を変えると非常に多くの組み合わせがあります。
EURに関係する通貨ペア
・EUR/JPY
・EUR/USD
・EUR/GBP
・EUR/AUD
・EUR/NZD
例えば、以下のチャートは2022年~2024年のEUR/GBPを出してみましたが、赤枠がレンジの範囲です。
仮に、ユーロポンドが赤枠レンジ下限であると推定すると、今後ユーロポンドが0.90に向けて上昇する可能性があります。
この場合、ユーロ円・ポンド円どちらをロングすべきだと思いますか?
正解はユーロ円です。
なぜそうなるのかは、合成通貨の知識を再度、見直してみてください。赤枠より下にレンジアウトした場合は、ポンドの方が伸びしろがありますが、一つの可能性ですね。
こんな組み合わせもリスクヘッジ
・ユーロ円ロング
・ユーロポンドショート
この場合は、ポンドロングしておけよって話ですが、まあ一つの例ということで。
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